相続財産(特に不動産や金融商品)の売却まで想定している場合、相続の税対策として「相続税」だけを考えるのは不十分です。いわゆる譲渡所得税と呼ばれる所得税や住民税、さらに人によっては(特に65歳以上が相続人となるケース)公的保険料も考えておく必要があります。
この点は以前、私の身内の相続を例に「マネーの達人」で触れたことがあります。
相続の税対策は相続税だけでなく所得税も!国保や扶養への影響も
https://manetatsu.com/2018/06/129960/
譲渡所得税や公的保険料への影響も考えた相続の税対策にFITS上場株式等課税方式有利選択ツール(参照:https://aif-planning.blogspot.com/2020/11/fits2.html)を活用することができます。
注意点としては、
・租税特別措置法の特例を受けない長期譲渡所得は試算できます。
・短期譲渡所得や特例適用の長期譲渡所得は試算できません。
相続財産を処分したら保険料や社会保障制度に影響が出るか確認しておいた方がいいです。現役世代であれば教育費、自営業者や高齢者であれば保険料や医療制度などに影響が出ます。
相続関係の制度改正で、遺留分の侵害に関しては現物ではなく金銭で補償する遺留分侵害額請求の制度ができました。この請求により、譲渡所得が発生することも考えられます。
また従来から、相続税納税資金確保のために不動産等を売却し、結果として譲渡所得が発生することも考えられます。
しかし譲渡所得が発生したがために、最長で譲渡の翌々年7月頃まで社会保障制度に影響が出ることもありえます。
年金年収200万円、相続不動産の売却による長期譲渡所得金額が880万円のケースを想定し、「総所得金額ほか」シートに両者を入力しています。
所得控除は社会保険料控除70万円があるとします。相続財産の譲渡所得が高額になると基礎控除等が縮小されるケースもあるので注意が必要です。
税額や所得合計額の試算結果です。介護保険対象の合計所得金額などは有料機能「年金生活者プラス」の使用により表示されます。
高額療養費制度、介護サービス費負担割合など、各種公的保険制度にも影響することが予想されます。一部の金額は「国保国民年金プラス」により算出可能です。
こちらは「子育て制度プラス」により算出される児童手当や教育費の参考指標です。現役世代は1年間(単年度)限定ですが、こういったところで不利になる危険性もあります。
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